今年の干支は丙午で、住職夫婦は還暦を迎えます。私たちが生まれた60年前のときは、赤ちゃんの出生数がぐっと下がったことで知られますね。丙午の迷信が、出産に影響したとされています。

もともとは中国の、「丙午の年は火災が多い」という誤解が、日本にもたらされた影響と聞きました。江戸時代に入って、丙午年(西暦1666年)生まれとされた、八百屋お七の放火事件が芸能の題材となることで、女性への差別ともつながり、この思い込みとなっていったようです。

 
そして今年です。
少子化が懸念されている昨今、今年もおなじように、出産が控えられるのではないかという不安と、いまの人はそんな迷信なんて知らないし、知っていても気にしないという見方と、両方あるようです。

 
丙午のことは明らかに迷信で、その背景にまったく合理的な根拠もなく、一切気にすることはないと考えていますが、表に出てこないところで恐れを煽るようなことがないか、という心配もしています。
とくにネット上では、有益な情報に混じって、根拠のないうわさ話が、さも事実のように語られることが見受けられるからです。

たとえばお産では、幸せな反面、産前産後の生活について、不安もあることでしょう。子どもは授かりもので、両親とは違う命を持ってこの世に生まれ出てくるからです。そういうときに、不安を煽るようなことを目にしたりすると、迷信にとらわれてしまうことも想像できます。

一般論として、そういう強い不安を解消しようとするときに、かえって自分自身や、まわりを傷つけてしまう恐れがあります。霊感商法はその最たるものですね。心配ごとを消すために頼る先を、よくよく考える必要がある、ということです。

 
今年にご出産のご予定がある方も、たくさんいらっしゃることと思います。どうか、この年めぐりのご心配をされることがありませんように。ぶじにお子さまが生まれますように、お祈りいたしております。