食事の前「いただきます」と言うのは、「食材の命をいただくのだ」と聞いたことがあります。私たちにとって食事は、より良く生きようとするためにも欠かせない営みですね。
失礼ながら、みなさまは手を合わせ「いただきます」と口にされているでしょうか。
私も、家の中ではちゃんとできます。
外でも、子どもといっしょだと、きちんとできます。
でも外で一人だと、すぐ忘れます。
これぐらいのことができなくてどうするのだろう、と正直思います。
曹洞宗をお伝えになった道元禅師も、食事をたいせつな修行とお考えになっていました。
食事を作る心構えとして、『典座教訓(てんぞきょうくん)』や、食事をいただく心構えとして、『赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)』といった書物まで残されています。
とくべつなことではない、ふだん毎日を生きる中にこそ、本当にたいせつなものがあるという、信念をお持ちだったからです。
やっぱり私たちは、命をもらわないと命をつづけていけません。
もらったら、その恩をどうやって返そうか。誰に返そうか。
きっとひとりひとり、ちがうやり方があるのでしょう。