本堂の全壊と再建

昭和9年(1934)9月21日午前、西日本を猛烈な台風が襲いました。2700名を超える死者を出した室戸台風です。
強風や高潮による甚大な被害が各地で起こりました。当時で築200年と思われる、東運寺の本堂も全壊してしまったのです。

そのときの写真がお寺に残っていました。(クリックすると大きくなります)
中央でカメラを見据えているのが、当時の住職(16世)である藤井梅蘂住職。お墓の入り口を入ってしばらく歩き、右後ろをふり返ったあたりから撮られているようです。
崩れた屋根の位置から、本堂は後ろ(お墓側)から前(山門側)に向かって倒れたことがわかります。ご本尊に向かって左側、今のお地蔵さまがおまつりされている壁が破られたそうです。

そして、檀信徒みなさまのご努力により、いちはやく本堂の再建をめざすことになります。

この写真は上棟式のものと思われます。(クリックすると大きくなります)
昭和11年あたりでしょうか。ご存じの方が写っておられませんか?

倒壊した本堂の写真を2枚いただきましたので、追記してご紹介いたします。(いずれもクリックすると大きくなります)

これらの写真から、当時の被害の大きさがわかります。淀にある、明親小学校の校舎も倒れてしまったと聞きます。

 

現在の本堂

たくさんの方々による大きなお力添えにより、昭和13年(1938)、あたらしい本堂が完成し、16年5月には落成式が営まれました。
現在の本堂は総欅造り。左京区雲ヶ畑の欅が使われたと聞いています。
寄棟造りの屋根はシンプルで美しく、てっぺんまでの高さは約11mあります。建物内部の幅は7間(およそ14m)、奥行きは6間(およそ12m)で50坪(およそ168㎡)あまりの広さがあり、ご本尊とその脇仏、羅漢さまやお地蔵さまなどがおられます。
さらに本堂の奥には、位牌堂、開山堂(歴代の住職をまつるお堂)が続いています。

本堂を国語辞典で引くと「本尊を安置するお堂」と出てきます。つまりお寺の中心。お釈迦さまを目の前にして祈る場であり、お釈迦さまの教えにふれていただく学びの場でもあります。いつでもお参りくださいね。