ロシアとウクライナの戦争が始まって、1年9ヶ月あまり。ハマスとイスラエルの戦争も、2ヶ月が経とうとしています。
ここに至るまでには、長い長い時間にわたる不信と、憎しみの応酬があるのだろうと、あらためて想像できます。ただ、ほんとうに「もう戦争しかない」というところまでいかないと、そこまでには至らないはずです。

 
そのためか、指導者が、国民を「もう戦争しかない」という心理に追い込むために、「戦争プロパガンダ10の法則」というものがあるそうです。
いま行っている戦争が、いかに正しいものであるか、ということを宣伝するための「話の持っていきかた」といえるかもしれません。

1 われわれは戦争をしたくはない

2 しかし敵側が一方的な戦争を望んだ

3 敵の指導者は悪魔のような人間だ

4 われわれは領土や覇権のためではなく偉大な使命のために戦う

5 われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる

6 敵は卑劣な兵器や戦略を用いている

7 われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大

8 芸術家や知識人も正義の戦いを続けている

9 われわれの大義は神聖なものである

10 この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である

読んでみると、この戦争を、とにかく相手だけの責任にしようとする姿勢が見てとれますね。もちろん、ハーグ法やジュネーブ法など戦争にも国際ルールがあるように、それを無視した、一方的な主張は受け入れられません。

そして、もちろんそもそも、戦争に至らずに済むように、努力する必要があることはいうまでもないでしょう。

 
戦争を悲しみ、批判する意味で、よく引用されるお釈迦さまのお言葉があります。
「すべてのものは暴力におびえるから殺してはならない」「怨みを捨ててこそ、怨みはやむ」など、戦争を避けようとするお言葉です。

 
そこには、仏教の基本である「智慧(ちえ)」と「慈悲(じひ)」が表れています。

 
「私は、自分自身がほかのなによりも大切だ」と見抜く省察力

「ほかの人もみんな、その人自身を大切に思っている」と気づく想像力

「だからほかの人も大切に守っていこう」とする行動力

「智慧」と「慈悲」にはこんな力があります。自分を高め、まわりを安らげる力です。

 
現代の戦争は情報戦でもあります。戦地では、AIによる巧妙なフェイク情報も出されてきて、軍や民間人にも混乱があったりするようです。
私たちが戦争についていろいろ考えるならば、あふれる情報の中から、プロパガンダに惑わされず、自分の目で取捨選択しなければなりません。これは難しいことです。

戦争が実際に行われているこの現代。少なくとも、暴力や怨みを捨てようとする気持ちが、欠かせないものとなるのでしょう。