これほどまでに親しまれ、まつられている仏さまもないでしょう。とくに京都の町なかは、小さなほこらが目につきます。
お地蔵さまは坊主頭で、すぐに見分けがつきますが、これは人間とおなじ姿で、おなじ世界に生きるあかし。私たちが道に迷っても、闇夜に灯りをともすように立って下さいます。身近な悩みを、じかにぶつけられる仏さまなのです。
子どもの守り仏さまとしても信じられていますね。8月24日あたりに行われる地蔵盆は、その大事なおまつりです。
「六地蔵」もよく聞かれるかと思います。これは、人の生きているありさまを幸福の絶頂から不幸のどん底まで6つに分けたとき、それぞれの世界において苦しみを除き、励ましておられる6人のお地蔵さまという意味です。
東運寺のお地蔵さまは、本堂内向かって左側にいらっしゃいます。赤いよだれかけと、カラフルな衣装を着けてらっしゃいます。ふっくらとしたお顔です。涼やかなご表情をなさっています。
子どもを助けるというところからも、お地蔵さまが、弱い立場の人たちをよくお救いになるという信仰が伝えられてきたことがわかります。
みなさまもどうぞ、何かしら不安をお感じになったとき、お地蔵さまのお顔を見に来て下さいね。