平成30年よりの薬師堂修復と並行して、なかにおまつりされる仏像も、修理してもらっていました。
令和2年末、修復成った仏さま方がお帰りになり、令和3年より、お正月やお盆、春秋のお彼岸などにお堂を開け、再びみなさまにお参りいただけるようになります。

 
お薬師さまは「如来」という種類の仏さまで、お釈迦さまはもちろん、阿弥陀さまや、奈良の大仏で知られる盧舎那仏さまなどの仲間になります。

じつは、お姿だけで「如来」の区別はつきにくく、多くは、手の形(結んでいる印の形)で見分けることが多いようです。
お薬師さまは、手に薬の壺を持っていることでわかります。お薬師さまがお持ちになっている薬で、あらゆる病気を治し、傷んだ身心を立ち直らせると信じられてきたのです。

お薬師さまは、東の浄土におられると伝わっています。西の浄土におられる阿弥陀さまと、ちょうど対になります。人が亡くなったとき、極楽浄土よりお迎えになるのが阿弥陀さまとすれば、人が生きているうちの苦悩を癒すのがお薬師さまと言えるでしょう。

 
お薬師さまには、14の仏さまが脇についておられます。
すぐ左右にふたりの菩薩さま。右が日光菩薩。左が月光(がっこう)菩薩です。
お薬師さまにお参りした功徳が、昼夜にわたって広まるように、との願いが込められています。

 

 
さらに外側には6体ずつ、怖い顔をして武装した仏さまがおまつりされています。十二神将といい、お薬師さまをお守りする役目を持っておられます。
十二神将は、それぞれ干支をあてはめてある場合が多くあります。長い時間や、あらゆる方角に、その力が及ぶようにという意味があるのだと考えられます。

 

 

 
お薬師さまは、この世を安心して生きたいという願いに応える、と信じられてきました。『薬師経』という経典には、この世の人々に安心を与えるための、12の誓いが記されています。
日々の中で不安なお気持ちがありましたら、どうかお薬師さまにお参りし、語りかけてください。お薬師さまに、悩む自分をお任せになってみてください。その苦しみが、善き人生を送るための糧となるよう、お薬師さまは見守り、みなさまとともに歩まれます。

 
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