4月8日は、花まつりの日として知られています。
お釈迦さまが、お生まれになった日です。

お釈迦さまは、お生まれになってすぐに、7歩を歩かれました。
そして、右手で天を、左手で地を指して、「天上天下 唯我独尊(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)」とおっしゃいました。仏教では、もっとも有名な言い伝えでしょう。
この言葉を、そのまま読み下すと、「天の上、天の下、ただ我ひとり尊い」となります。

 
この伝説は、ふたつの点で変化をしてきたそうです。

 
ひとつめは

もともとはお釈迦さまのお話では、ありませんでした。

『長阿含経(じょうあごんきょう)』というもっとも古い経典などでは、お釈迦さまから7代前の仏さまのお話として紹介されています。

それがいつのころからかお釈迦さまの伝説へ。

『碧巌録(へきがんろく)』という、禅宗で大切にされる語録にも登場します。

 
ふたつめは

この言葉をどのように解釈するか、時代によって違いがあるようです。

 
ひとつは、お釈迦さまがいかに偉大な人かを、強調するための物語とする、シンプルな見方です。

 
もうひとつは、「我」を、お釈迦さま個人のことではなく、私たちひとりひとりのことを意味する言葉と、受け止め直す見方です。私たちひとりひとりはひとつしかなく、ただそれだけで尊い、ということです。

 
私は、このふたつの解釈は、どちらも正解であると考えています。

 
「独尊」とまで称えられる、偉大なお釈迦さまのみ教えにより、「独尊」である自分の大切さに気づき直す、と言えるでしょう

唯我独尊は、良い意味で使われないこともありますが、ここで大事なのは、自分自身だけではなく、すべてが「独尊」であるこということです。

自分もまわりもみんな、ひとつしかなくて代わりがない大切さと、厳しさを抱えているのです。
自分自身を大切にできるならば、他人の大切さにも、気づかなければなりません。

みんなが自分を大切にし、まわりにも、やさしく接することができる社会であってほしいですね。みなさん、唯我独尊で行きましょう!