そもそも「戒名」ってなんですか

戒名は、「仏さまのお弟子」である証しの名前です。

多くの場合、戒名に触れるのは、人が亡くなったときかと思います。菩提寺の住職がご葬儀に先立って、故人に戒名をおつけするからです。
また、生前であっても、師匠となる和尚さまから、戒名を授けられることがあります。どちらの戒名でも、違いはありません。

戒名は、生まれたときにつけられた名前に、取って代わるものではありません。
ご生前にもらった戒名ならば、その人が仏さまと相対したときに自称する名前です。

お亡くなりになってからの戒名は、仏さまが故人を呼び、お導きになるときの名前となります。

戒名は、仏さまとご縁を結ばれたという、証しの名前なのです。

 

曹洞宗の「戒名」の作りは

曹洞宗での一般的な戒名は、漢字6文字です。

◎◎ ◇◇ △△

と、2文字が3つの組み合わせになっています。

いちばん上の◎は、「道号(どうごう)」と呼ばれます。

まん中の◇、これが厳密な意味での「戒名」です。

いちばん下の△は、「位号(いごう)」といいます。
男性ならば「信士」や「居士」と、女性ならば「信女」や「大姉」と、それぞれつけられることが多いです。

 
たとえば、令和2年にお亡くなりになった志村けんさんの戒名は、「瑞心院喜山健徳居士」だそうです。
この戒名でいうと、「喜山」が道号、「建徳」が戒名、「居士」が位号です。「瑞心院」は「院号」と呼ばれます。

ふつうは、この6文字、もしくは9文字をまとめて、「戒名」と呼んでいます。
曹洞宗の方で、お仏壇のあるお宅でしたら、おまつりされているお位牌を見てみて下さい。おおよそ、この6文字、もしくは9文字の形か、これに沿った形になっていると思います。

なお、位号は性別を表すものですが、それは出生時の性であっても、現在自認する性であってもかまわないと考えています。

 

「院号」について

戒名の頭に、◇◇院とついていることがあります。それを「院号」といいます。

院号という言葉は、古く平安時代からあるようです。現代では、深く仏教を信仰し、お寺に大きなご貢献があった方への尊称です。ご生前のお力添え、またはご遺族のお志に対し、感謝の意も込めてお寺からお授けしています。

 

ご不明な点はお問い合わせください

昔からご葬儀が話題になるとき、戒名については、いろいろな議論がなされてきました。
ある意味正解がないものなので、ネットで検索してみても、さまざまな情報が出てきてわかりづらく、かえって混乱してしまうかも知れません。お寺によっても、おつけするルールが違っている場合もあります。

ですので、檀信徒のみなさまにおかれましては、疑問に思ったことがありましたら、どうぞお気軽に、お寺までお問い合わせくださいませ。